2006.06.04 横須賀西側の地下施設調査(横須賀市)



「朝鮮人強制連行調査の記録 関東編」という本に、「武山の麓に桜花の生産工場がある」と書かれている。この情報を基に、3年位前から現場周辺の踏査をしていたが、発見できなかった。戦争遺跡に精通した方にも聞いて回ったのだが有力な情報を仕入れることが出来なかった。ところが、菊水さんを通じ知り合った土龍さんに尋ねたところ、何と地下壕の場所を知っているという。急遽、現地調査を行うことになり京浜急行横須賀中央駅に集結。
(写真はOKNさん提供)



横須賀中央駅からバスで林へ向う。今回初めてお会いする土龍さん、ヒシナマズさんとは林交差点付近で待ち合わせている。横須賀市の西側にも鉄道を敷設すればいいと思うのは私だけだろうか?

無事に合流し、先導する土龍さん、OKNさんの後に続き武山地下工場へ向かう。リサーチから3年、長い道程でございました・・・。
(写真はOKNさん提供)



むむう・・・。どうやら封鎖されており、入れない気配。周辺の畑を耕す農家の方に話を伺うことが出来た。地下工場自体は去年の11月に封鎖工事が施されたようだ。入ることが出来ないにしろ、全ての入口を撮影したかったので許可を取り山を徘徊する。



おっと、完全に封鎖されていない入口を発見。ここ以外にもう1ヶ所発見した。とはいえ、歩伏前進をしないと入れないほど土砂で埋もれている。あまりの狭さに、一同躊躇。

土龍さんが先陣を切ろうとしたが、「ここは快特にお任せください」とナウスラが特攻(かなり引き腰だったが・・・)。いざ、中へ!



全員特攻完了。内部図を作成しながら奥へ進んでいくと、50メートル程で行き止まり。連絡坑から隣の坑道へ進むも岐路がない。封鎖されている入口の坑道とは繋がっていないようだ。
あっけなく終わってしまい、一同落胆。



この入口の他に、あと1ヶ所かろうじて入れる開口部があるのだが、きちんとした装備をしていないので次回に持ち越しにする。

土龍さんのお話だと、この他にかまど跡みたいなものが残っているという。今度は山を回りこみ反対側へ。確かに竈のような掘り込みが5〜6箇所見ることが出来る。詳細はわかっていないので、さらなる調査を行っていく予定。



武山を後にし、次は秋谷にある西浦砲台へ向かう。その前に、コンビニで飲食料を買い込んで、湘南国際村の展望台で昼食を摂る。小休止の後、子安の里周辺に車を停めて一気に山道を登る。
(写真はOKNさん提供)



まだ6月に入ったばかりなのに非常に暑い。歩き始めて約30分、草木に埋もれているが砲座を発見。

日本築城史(浄法寺朝美著)によると30センチ長榴弾砲4門と観測所2つを設置するため工事を実施したが地質不良のため備砲せず、その後の関東大震災で被害を受け廃止。大正6年12月起工、同9年8月に工事を完成したようだ。



続いて砲座奥の砲側庫へ突入。内部は全面コンクリート製で、坑道中央が震災により大きく盛り上がってしまっている。また、部屋のような空間や銃眼と思われる小窓、鉄製フックなどが見ることが出来る。



構成としては、5つの砲側庫が4つの砲座間を連絡するような形で構築されていたようだが、震災による被害で崩落し、現在は3本が残る。

西浦砲台の調査を終え、次は峰山の機銃陣地と思われる遺構を見に行く。本当は向かい側の山に観測所があるとのことだが、簡単に攻略できないということもあり次回に持ち越す。ここでOKNさんが暑さのためオーバーヒート。残念だが、戦線離脱。まだ6月初旬だというのにこの暑さでは、先が思いやられる。



移動途中にあった湧水施設の前で小休止の後、峰山に到着。さっそく発見しましたコンクリートの台座。詳細はよくわからないが、軍で使用されていたのは間違いなさそうだ。こどもの国にあった遺構に類似している。だとすると防空監視所か?今後も詳しく調べていきたい。さすがは土龍さん、それにしてもよく発見したなあ。私もまだまだ修行が足りません。



次はこの陣地に関連していると思われる兵舎跡を見に行く。陣地跡から歩くこと15分、埋もれているがコンクリート基礎を発見。コンクリートの質もかなり古い。菊水さん曰く、「この他にもう1ヶ所基礎がある」と。土龍さんもその話を聞き驚いていた。それ以上に私はこの方達の情報量に驚いているのだが。

戦争遺跡それぞれのジャンルに非常に強い方たちがこのサークルに集まっている。団結すれば、博士に匹敵する情報量になるかもね。(ちょっとアピール。←誰にだよ!)



菊水さん自慢のGPSと長年の勘で、もう1つのコンクリート基礎へ案内してもらう。歩くこと10分、あった!

基礎の規模は、最初に見たものとほぼ同じ大きさ。一体これらは何に使用されていたのか?



本日はこれで遺構調査終了。この後は、ファミレスで食事をして逗子で解散。戦果も上々、初めて会った土龍さんに色々なお話を伺うこともでき、非常に有意義な1日であった。

【終】



 









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